【給与計算実務能力検定試験1級】計算問題 育児休業等終了時改定

過去問対策(育児休業等終了時改定)

給与計算実務能力検定試験には過去問集が市販されていませんので、計算問題対策がしづらいですよね。ここでは計算問題の「育児休業等終了時改定」される標準報酬月額について解き方を解説していきます。


資料は試験当日に配布される

以下の一定の資料が問題用紙と共に配布されます。
・健康保険・厚生年金保険の保険料額表
・給与所得の源泉徴収額表(月額表)
・賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表
・雇用保険料率表
・退職所得控除額の計算の表
・生命保険料の控除額の計算式
・地震保険料の控除額の計算式
・配偶者控除等の種類と控除額
・年末調整等のための速算表等・・・・

資料をもとに、問題を解いていきます。

育児休業等終了時改定される標準報酬月額

以下の条件について、育児休業等終了時改定が行われた場合の標準報酬月額を求めよ。なお、短時間労働者である被保険者のことは考慮しなくてよい。

  • 賃金締め日:毎月末日
  • 賃金支給日:翌月25日
  • 従前の標準報酬月額:300,000円
  • 育児休業終了日:10月1日(10月2日職場復帰)
  • 支給内容:休業前の基本給(月給)270,000円→復帰後変更なし

<資料>

令和5年度保険料額表(東京都)


育児休業等終了時改定とは?

産前産後休業や育児休業後は子育ての為に、短時間勤務になったりして休業前より給与が少なくなる場合があります。このような場合は随時改定の要件に該当しなくても申出で標準報酬月額の改定の対象になりえます。休業終了日の翌日(つまり復帰日)が属する月以後3か月間に受けた報酬の平均額で4か月目の標準報酬月額が改定されます。

随時改定との比較

随時改定

  • 固定的賃金の変動
  • 原則2等級以上の差が生じた
  • 報酬支払基礎日数17日以上の月が3か月継続
  • 要件に該当したら、随時改定される

育児休業等終了時改定

  • 固定的賃金の変動なくても良い
  • 1等級の変動でも良い
  • 17日未満の月は除く
  • 被保険者の申し出

※育児休業等終了日の翌日に引き続いて産前産後休業を開始している場合は、育児休業等終了時改定は行われません。

育児休業復帰後は時短勤務や残業が少なくなり給与が低額になることが多いと思います。そのため、随時改定に該当しなくても1等級の差があれば、被保険者の申し出で産前産後休業終了時改定・育児休業等終了時改定を行い、社会保険料の負担を抑えることが出来ます。

問題を解いてみよう


休業が終了した翌日が属する月から3か月なので10月、11月、12月の平均を算定しますが、支払基礎日数が17日未満の月は除きますので10月を除く11月、12月の報酬で平均額を計算します。

11月266,500円
12月282,500円

合計して平均値を出します。
(266,500円+282,500円)÷2=274,500円
保険料額表にあてはめて標準報酬月額を出します。

274,500円は270,000~290,000の範囲に入りますから標準報酬月額は
健康保険標準報酬月額:280,000円
厚生年金標準報酬月額:280,000円
となり1月から改定されます。

17日未満の月は除くところがポイントになります。なお標準報酬月額が引き下げられることで、保険料の負担は少なくなりますが将来の年金額も減少します。そこで勤務時間短縮等の措置を受けて働き3歳未満の子を養育している間、申し出により年金額は従前の高い標準報酬月額で計算される特例もあります。お疲れ様でした。

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