【法改正 令和5年10月】児童手当 所得制限無し最大3万円

児童手当
目次

所得制限や年齢制限が緩和され拡充されます

令和6年6月5日付で子ども・子育て支援法の一部を改正する法案が国会にて可決され、令和6年10月1日以降の児童手当制度が変わります。

(参考:児童手当制度のご案内|こども家庭庁

児童手当法における「児童」の定義

労働基準法では、中学校を卒業するまでの年齢の児童を労働させることを、原則として禁止しています。

労働基準法 第56条(最低年齢)

使用者は、児童が満15歳に達した日以後の最初の3月31日が終了するまで、これを使用してはならない。 

労働基準法では「児童」の定義を満15歳に達した日以後の最初の3月31日としていますが、児童手当法では、児童の定義が違い「18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある者」となります。

 

児童手当法の「児童」の定義

この法律において「児童」とは、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある者であつて、日本国内に住所を有するもの又は留学その他の内閣府令で定める理由により日本国内に住所を有しないものをいう。

児童の定義に着目して現行の第4条(支給要件)をみてみましょう。

 

現行 第4条(支給要件)

児童手当は、次の各号のいずれかに該当する者に支給する。

1 次のイ又はロに掲げる児童(以下「支給要件児童」という。)を監護し、かつ、これと生計を同じくするその父又は母(当該支給要件児童に係る未成年後見人があるときは、その未成年後見人とする。)であつて、日本国内に住所を有するもの

イ 15歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある児童(施設入所等児童を除く。)

ロ 中学校修了前の児童を含む2人以上の児童(施設入所等児童を除く。)

読み取れますか?児童の定義を「18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある者」としたうえで、支給要件児童は「15歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある児童」としています。

 

第3子の存在

3人目の子が生まれたら長男または長女は、高校生の可能性がありますよね。支給対象児童は中学卒業までなので長男または長女は児童手当の対象ではありませんが、「児童手当法上の児童の定義は18歳に達する日以後の最初の3月31日」なので「額には反映されませんが児童の数にはカウント」されます。

つまり児童の数にカウントされ第3子以降の支給要件児童の額が増額される仕組みなんです。

スクロールできます
現行の支給額

改正後は、児童の定義は「そのまま」に15歳の要件が撤廃され、中学卒業までから高校卒業までに延長されることになりました。18歳に達する日以後の最初の3月31日まで手当が支給されます。

 

改正条文を見てみよう

第1条(目的条文)

この法律は、子ども・子育て支援法に規定する子ども・子育て支援の適切な実施を図るため、父母その他の保護者が子育てについての第一義的責任を有するという基本的認識の下に、児童を養育している者に児童手当を支給することにより、家庭等における生活の安定に寄与するとともに、次代の社会を担う児童の健やかな成長に資することを目的とする。

第3条(定義)

この法律において「児童」とは、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある者であつて、日本国内に住所を有するもの又は留学その他の内閣府令で定める理由により日本国内に住所を有しないものをいう。

2 この法律にいう「父」には、母が児童を懐胎した当時婚姻の届出をしていないが、その母と事実上婚姻関係と同様の事情にあつた者を含むものとする。

第4条(支給要件)

児童手当は、次の各号のいずれかに該当する者に支給する。

1 施設入所等児童以外の児童(以下「支給要件児童」という。)を監護し、かつ、これと生計を同じくするその父又は母(当該支給要件児童に係る未成年後見人があるときは、その未成年後見人とする。以下この項において「父母等」という。)であつて、日本国内に住所を有するもの

 日本国内に住所を有しない父母等がその生計を維持している支給要件児童と同居し、これを監護し、かつ、これと生計を同じくする者のうち、当該支給要件児童の生計を維持している父母等が指定する者であつて、日本国内に住所を有するもの(当該支給要件児童の父母等を除く。以下「父母指定者」という。)

3 父母等又は父母指定者のいずれにも監護されず又はこれらと生計を同じくしない支給要件児童を監護し、かつ、その生計を維持する者であつて、日本国内に住所を有するもの

4 施設入所等児童に対し児童自立生活援助を行う者、施設入所等児童が委託されている小規模住居型児童養育事業を行う者若しくは里親又は施設入所等児童が入所若しくは入院をしている母子生活支援施設、障害児入所施設、指定発達支援医療機関、乳児院等、障害者支援施設、のぞみの園、救護施設、更生施設、日常生活支援住居施設若しくは女性自立支援施設(以下「障害児入所施設等」という。)の設置者

原則
父母等

日本国内に住所を有し監護・生計同一を満たす父母等

父母等が日本に住所を有しない
父母等が指定する者

海外に住んでいる父母等が日本で子と居住する祖父母等

その他
施設の設置者

児童が施設等に入所している場合は施設の設置者

 

第4条1項を見て下さい。15歳要件が削除されています。児童の定義と支給要件児童が同一になることで、18歳に達する日以後の最初の3月31日まで支給されます。

主な改正点

所得制限の撤廃

前年の所得が一定以上ある場合、所得制限がありましたが、撤廃され所得にかかわらず児童手当を受給できるようになります。なお特例給付は廃止となり、特例給付を受給している人は児童手当の支給に切り替わります。

支給対象年齢の延長

現行は中学卒業までですが高校卒業(18歳に達する日以後の最初の3月31日まで)まで延長されます。

第3子以降算定額算定対象者の延長

子どもとして数える第3子が、高校生までから「22歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある者」までに延長され、第3子以降加算は1人当たり3万円に変更されます。

支給時期の変更

これまでは毎年2月、6月、10月の3回でしたが、毎年2月、4月、6月、8月、10 月、 12 月の6回となり各月にそれぞれの前月までの分が支給されます。年金と同じになりましたね。

支給額

金額は月額

10月1日から新しい制度はスタートしますが、各月にそれぞれの前月までの分ですので10月分と11月分の2カ月分です。最初の支給日は12月になりますね。児童手当が拡充することで、16~18歳の子どもがいる家庭に適用される扶養控除に影響がでます。2026年から所得税の控除額は38万円から25万円に引き下げられる予定です。来年度の社労士試験(社会一般)で出題される可能性ありですね。

 

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