【国民年金法】被保険者期間の計算

被保険者期間とは?

国民年金の被保険者であった期間で加入期間のことを被保険者期間といいます。被保険者期間は、日割りではなく単位で計算されます。

被保険者期間の計算

条文を見てみよう

第11条(被保険者期間の計算)

被保険者期間を計算する場合には、によるものとし、被保険者の資格を取得した日の属する月からその資格を喪失した日の属する月の前月までをこれに算入する。

 被保険者がその資格を取得した日の属する月にその資格を喪失したときは、その月を1箇月として被保険者期間に算入する。ただし、その月にさらに被保険者の資格を取得したときは、この限りでない。

 被保険者の資格を喪失した後、さらにその資格を取得した者については、前後の被保険者期間を合算する。

被保険者期間の計算は、資格を取得した日の属するから喪失した日の属する月の前月までを算入し月を単位とします。つまり、資格取得日が1日であっても30日であっても、その月から被保険者期間となるし、喪失日が1日であっても30日であってもその月の前月までが被保険者期間です。

資格を取得した日の属する月にその資格を喪失したときとは、1か月内に資格の取得と喪失が起きたときを想定しています。この場合の被保険者期間は1か月とします。同月内得喪といいます。日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満は国民年金に強制加入ですから、ほとんど該当しません。18歳で就職した第2号被保険者同月内に退職したときはありえますね。2項のただし書きにあるように、その月にさらに資格を取得したら後の資格取得に係る期間のみで1か月の被保険者期間となります。

問題. 被保険者がその資格を取得した日の属する月にその資格を喪失したときは、その月を1か月として被保険者期間として算入するが、その月にさらに被保険者の資格を取得したときは、後の被保険者期間のみをとって1か月として算入する。

過去問 平成22年 国民年金法

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 〇 設問の通りですね。同月内得喪して、さらにその月に資格を取得しても1か月として算入します。この場合は、後の被保険者期間のみをとって1か月となります。


種別の変更があった場合

条文を見てみよう

第11条の2(種別の変更)

第1号被保険者としての被保険者期間、第2号被保険者としての被保険者期間又は第3号被保険者としての被保険者期間を計算する場合には、被保険者の種別(第1号被保険者、第2号被保険者又は第3号被保険者のいずれであるかの区別をいう。)に変更があつた月は、変更後の種別の被保険者であつた月とみなす。同一の月において、2回以上にわたり被保険者の種別に変更があつたときは、その月は最後の種別の被保険者であつた月とみなす。

国民年金は資格の得喪よりも種別の変更の方が起こりやすいです。図でイメージしたほうが理解しやすいかと思います。

単純に、被保険者の種別の変更があった月は、変更後の種別の被保険者であった月とみなすし、2回以上にわたり被保険者の種別に変更があった月は、最後の種別の被保険者であった月とみなされます。

それでは過去問いきましょう

問1. 4月に第1号被保険者としての保険料を納付した者が、同じ月に第2号被保険者への種別の変更があった場合には、4月は第2号被保険者であった月とみなし、第1号被保険者としての保険料の納付をもって第2号被保険者としての保険料を徴収したものとみなす。

過去問 令和5年 国民年金法

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 問1. ✕ 同月内に、種別の変更がおきていますね。この場合は、変更後の種別の被保険者であった月とみなされますので、第2号被保険者期間として算入されますが、保険料を徴収したものとはみなしません。還付請求を行い第1号被保険者として納付した保険料は還付されます。なお、第2号被保険者と第3号被保険者は国民年金の保険料を納付しておらず、基礎年金拠出金という形で政府等が国民年金にまとめて拠出しています。

問2. 被保険者期間の計算において、同一の月に種別変更が1回あり、第1号被保険者から第3号被保険者となった月につき、すでに第1号被保険者としての保険料が納付されている場合は、当該月は第1号被保険者とみなす。

過去問 平成24年 国民年金法

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 問2. ✕ 同月内に、種別の変更がおきていますね。この場合は、変更後の種別の被保険者であった月とみなされますので、第3号被保険者期間として算入されます。すでに第1号被保険者としての保険料が納付されていても変更後の種別の被保険者であった月とみなされます。なお、還付請求により第1号被保険者として納付した保険料は還付されます

問3. 被保険者の種別ごとに被保険者期間を計算する場合には、被保険者の種別に変更があった月は、変更後の種別の被保険者であった月とみなし、同月中に2回以上の種別変更があったときは、その月は最後の種別の被保険者であった月とみなす。

過去問 平成22年 国民年金法

←正解はこちら
 問3. 〇 被保険者の種別の変更があった月は、変更後の種別の被保険者であった月とみなすし、2回以上にわたり被保険者の種別に変更があった月は、最後の種別の被保険者であった月とみなされます

被保険者期間は、障害基礎年金の保険料納付要件を見るうえで計算は大事だし、同月内で種別の変更があった月は、変更後の種別の被保険者であった月とみなされます。同月内に第1号被保険者から第2号被保険者に種別変更すると還付請求により第1号被保険者として納付した保険料は還付されますし、第2号被保険者から第1号被保険者に種別変更すると第1号被保険者として保険料を納付しなければいけません。試験対策上は資格の得喪種別の変更を区別できるようにしておきましょう。

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